賃貸経営の基本的な考え方~収益改善の4つの方法~

『収益改善』とは?

おはようございます。
この言葉は、私たちミライアンスが賃貸管理を行う際に最も大事にしている言葉です。
順調に管理が出来ている場合や、家主さん自ら管理運営がきちんと出来ている場合は、弊社が管理をすることはありません。

どういう時に管理をお引き受けするかというと、

① 賃貸経営の立て直しが必要なとき

② これから賃貸経営課題が発生し、その課題に継続的に寄り添って解決することが必要とされるとき

この2つの場合です。
例えば、「経営を立て直した後に売却したい」とか、「収益が出る状態にして息子(娘)に継がせたい」などのご要望があります。
そんな時は継続して管理という形でお手伝いしております。

では、どのような方法を用いて収益改善を図るのか、ご説明いたします。

満室想定賃料(GPI)を最大化する

何のことかわかりませんよね。
失礼しました。
これは、満室で、家賃の割引なしに決まったとしたらこれくらいという、『100点満点』だった場合の賃料です。
私たちは、これをGPI(グロス ポテンシャル インカム)と呼んでいます。
賃貸経営は、以下のようなキャッシュフローツリーで表すことが可能です。

GPI(100点満点の賃料)
-)リース損(家賃の減額など)
-)空室損
-)賃料未回収損

EGI(実効総収入)
-)運営費          

NOI(営業純利益・粗利)
-)年間ローン返済額(元金+利息)

BTCF(税引き前のキャッシュフロー)

『収益改善』というのは、NOI(営業純利益・粗利)とBTCF(税引き前のキャッシュフロー)を上昇させるということです。
GPI(100点満点の賃料)自体を上げる提案です。物件力自体を引き上げます。
これは、リノベーションをする方法、募集ターゲットの変更、設備仕様変更、共用部の改修、ソフトサービスの付加などいろいろな方法があります。
現状、いくらの賃料が適正かを把握し、それに対して建物のチカラを上げられないかを検討するわけです。

収益を下げている原因を潰す!

次に、空室損が出ている、あるいは賃料未回収損が出ている場合に、それをどこまで減らせるかを検討します。
具体的には、空室が出ている原因を探り、潰していくことをします。
また、退去が、近隣の同種類の物件や私たちが把握している回転率と比較して多い、つまり、退去数が多い場合は何かしら住みにくいのではないか?と考えます。
住む人の気持ちを考えるわけです。

退去をどうやったら防げるのか?
という視点です。

皆さんは『テナント・リテンション』という言葉をご存知でしょうか?
テナント・リテンションとは、入居者に出来るだけ長く住んでもらうことで退去の数を減らす考え方です。
究極の空室対策ですよね。

私たちが行っているフィーリング・リフォーム®空室対策は、既に部屋がたくさん空いてしまってどうしようもない。
仕方ないで済ませてしまっていたものを、チームを組んでプロジェクトで空室対策を行っていくというものです。
お医者さんが風邪薬を処方するのと同じですね。
(違いはその風邪薬を次回も使えるところ!でしょうか)

しかし、未然に防ぐこともできるんです。
風邪をひかないように睡眠をとるとか、栄養を取るとか、乾布摩擦をするとか、そんなイメージでしょうか。
それは、日常の管理の中で、管理会社さんがするか、家主さんが自らやるかどちらかしかありません。
このために、私たちミライアンスは、賃貸管理業務(他社との違いは結構あることに最近気づきました。笑)を行っているんです。

また、募集期間を短くすることで、空室損を減らすことも可能です。
単身者用のマンション・アパートの管理をしていた時は、1週間で部屋を仕上げることは当たり前と感じていました。
これは、退去する前にある程度家主さんと連携が取れていて、この位費用が掛かるという了承と、メンテナンスの度合いをあらかじめ決めておくことで可能になります。

しかし、これが退去してから見積もり取って、あーだこーだして見積もりの出し直しをして、GOが出て、それからメンテナンスとなった場合はどうでしょうか?

2か月があっという間に経過します。
もったいないですねぇ。

こういうところもしっかりメスを入れていくのです。
これは、賃貸管理の中でこそ把握が可能になってきます。
なぜなら、通年でしかこの対策は考えられないからです。

他にも、申込の時の家賃の減額交渉をギリギリの線でまとめるとか、フリーレントを最小化する、あるいは、入居開始日を前倒しするなどの方法があります。

運営費を見直す!

これは、ケチってメンテナンスをしないということではありません。
出すところは出して、それが適正かどうかを見極めるということです。

もちろん、いらないものはいらないと判断することも大事です。
家主さんは、気付かないうちに費用を払ってしまっていることもありますよね。

例えば、水道の戸数の調整などはしっかりされていますか?
水道局に出す戸数の調整をすることで、水道代を最小化することができます。
私たちミライアンスでは、定期的にチェックして極力支払いを少なくするように努力しています。

管理会社に水道代の支払代行をしてもらうメリットはここですかね。
あとは、運営費を管理会社が把握できるというのも大きいです。

これが、支払代行をしているだけだったら、あんまりですよね。
もし、家主さんが管理会社さんにお任せしているのであれば、一度確認してみてはいかがでしょうか?

以前、私が対応していた家主さんの中には、この水道代の見直しの金額で、インターネット無料設備が導入できたケースがありました。
ちょっと視点を変えるだけで、この繁忙期、スゴイ効果を出せることもありますよ!

室内の改装にしても、数種類のパターンの中でどれが収益を最大化できるのか確認することが大切です。
繁忙期にいきなり何パターンも出してくれとなると、出す側もやってられません。
その時期、業者さんはほぼ寝ずに仕事している訳ですから。

ということは、閑散期などにしっかり方向性を決めておくことが大切になるということですね。

BTCF(税引き前のキャッシュフロー)をちゃんと残す!

年間のローン返済額を減らしてキャッシュフローを増やすという視点で考えます。
これは、銀行との金利交渉やローンの組換えをすることなどを検討します。

お父さんから引き継いだ物件の場合に、高金利の金融機関の融資がそのままになっているなんてこともありましたねぇ。
融資の借り換えでキャッシュフローが増えた分で外装工事なんかもできちゃったケースもありますから、こんなところもしっかり見ます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
収益改善といっても、幅がひろいことがお分かりいただけましたでしょうか。
提案をするためには、日々の数字をしっかり把握しておく必要があります。
誰が提案するんだ?という問いに関しては、管理会社しかありませんよね。

残念ながら、全ての管理会社がこのような提案が出来る訳ではありません。
私たちミライアンスは、管理エリアを京都・大阪・神戸・滋賀までとしております。
それ以外の地区は管理はできませんが、管理会社選定のアドバイス等は全国のネットワークを駆使してご紹介できる場合があります。
ご不満・ご不安な点がありましたら、是非一度お問い合わせください。

今日はちょっと長くなりましたが、ここまでにしたいと思います。
お読み頂きありがとうございました。