データを読み解く【住宅市場動向調査報告書】

『入居者さんが部屋を決める時の決め手は何か?』
『どうやって部屋を決めているか?』

『入居者が困ったこととは?』

 

なんて、聞きたくないですか?
今日はそんなデータを見ていこうと思いますYo!

国土交通省の住宅局が毎年調査をしているもので、「住宅市場動向調査報告書」というのがあります。→データはこちら

直近では、平成29年度版が一番新しいので、少し、読み解いていこうかなと思います。賃貸経営の参考になりますよ。

1 なぜこの賃貸住宅を選んだか?

 民間の賃貸住宅に入居している世帯の住宅選択理由は
第1位 「家賃が適切だったから」                         52.3%
第2位 「住宅の立地環境が良かったから」                     47.0%

第3位 「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから」 41.2%

で、第4位が 「昔から住んでいる地域だったから」19.2%ですから

第1位から第3位までが圧倒的多数となっています。

「家賃」で決めた、「立地」で決めた、「物件」で決めたという3本柱

なわけですが、ここ数年この状況は変わっていません。

お部屋を探される方は、いくらまで出す!と決めて、その中でより良い立地、より良い物件を探す!ということですね。

この中で、「立地」は大家さん自身が変えることは出来ませんが、「家賃」と「物件」はいじることが出来ます。

では、「家賃」を競合物件よりも下げたら良いという単純なものでしょうか?駐車場や駐輪代・インターネット代や光熱費、生活コストをトータルで見て、結果的に安く感じてもらうことが出来るはずです。

そうすることで、物件の価値の下落を最小にすることが出来るのです。
「広さ」にしても、個別にトランクルームをレンタルするとかしてあげる
と、カバーできるかもしれませんね。「環境」が良いっていっても、
物件周辺だけではなく、その物件自体の環境を言っていることだって
ありますよね!

ホントに「家賃が適切」だからといっても、家賃を下げるだけではなく、
まだまだいくらでも対応することが出来るのですよね。

 

2.物件を探すときの情報収集方法は?

第1位 不動産業者で   52.0%

 第2位 インターネットで 35.7%

 第3位 知人等の紹介で  14.9%

となっており、

 第4位 勤務先で      3.8%

を大きく引き離しています。

最近はネットで見てから仲介業者に来店されるケースが
多いわけですが、それでも、不動産業者さんの情報で
決めたケースがこれだけあるわけです。

確かに、条件面や部屋の写真だけなら、ネットでもある程度
はわかりますが、ネットには出ていない情報も沢山ありますよね。

そんなところを伝えられる仲介会社、それから、ネットには普通
出ていない情報を出せる管理会社が生き残っていくのではないか
なぁと思っています。

そんな情報をしっかりと伝えることが管理会社にとっても、
大家さんにとっても重要ってことですよね!

3.賃貸住宅(普通借家契約)で困った経験は?

第1位 敷金・礼金などの金銭負担 50.8%
第2位 近隣住民の迷惑行為    34.9%
第3位 連帯保証人の確保     30.8%
第4位 家主・管理会社の対応   25.1%
第5位 修繕費用の不明朗な請求  22.1%

と続きます。

   第1位の「敷金・礼金などの金銭負担」については、最近は
クレジットカード決済なども出てきていますね。このあたり
の設定は、物件の需給バランスを見ながら決めていくことに
なりますね。

第2位は飛ばして、第3位の「連帯保証人の確保」これ、多い
ですよね。連帯保証人がないと、入居者が何かトラブルがあった
時に言いにくいなんてことを言っている管理会社もありますが、
私としてはナンセンスだと思っています。

連帯保証人であろうとなかろうと親は親ですから、言うときは
いえばいいんだし、法律的な問題でも、家賃の支払いや入居者
にメンテナンス代の支払いが発生した時の債務を連帯保証する
だけのものなので、保証会社を上手に使うことで、クリアできる
と思います。

 あとの第2位、第4位、第5位は管理会社の質ですね~。
これ、昔東京に賃貸管理の授業を受けにいったときの先生がお話されて
いたことなんですが、

「管理会社でレバレッジ(てこ)が掛けられる」

とおっしゃっていました。

退去抑止(入居者の保持=テナントリテンション)が出来ていない物件はひょっとするとそんなところに問題が潜んでいるかもしれませんよ!

 本日もお読みいただきありがとうございました。