日本の人口と世帯数の将来推計について

日本の人口

皆さん、おはようございます。
今日は、築15年を経過したアパートやマンションの置かれている環境を理解してもらうために、日本の人口と世帯数の将来累計についてお伝えしようと思います。

平成23年2月21日の国土審議会政策部会長期展望委員会による、「国土の長期展望」中間とりまとめによると、日本の人口は長期的に急減する局面に入っていきます。

こちらを見ていただくとわかるように、2004年12月に日本の人口は1億2784万人とピークを迎えました。
それから100年後には、もしかしたら明治維新(1868年)の時の人口数まで減少していくと予想されています。
1870年代から日本の人口は急激に増加してきましたが、このあとは、今まで例を見ないジェットコースター並みの人口減少が起こるということになります。

また高齢化も同様に起こりますので、超高齢社会が既に始まっているということが言えますね。
65歳以上の人口が日本の総人口に占める割合である総人口率も、2000年は19.6%で5人に1人が高齢者ですが、2050年には、39.6%ですから、その倍の5人に2人が高齢者になるという予想が出ています。
ここ50年で高齢者の全人口に占める率が倍になるということですね。

もう少し詳しくみていきましょう。
以下の資料をご覧ください。
先ほどと同じ平成23年2月21日の国土審議会政策部会長期展望委員会による、「国土の長期展望」中間とりまとめによるものです。

 

この資料を見ていただくと、2005年から2050年に向けて人口が約3,300万人減少していくであろうことがお分かりだと思います。

そして、16歳から64歳までの生産年齢人口が2005年の8442万人から2050年の4930万人まで減少していきます。
このことが、日本の賃貸住宅市場にどのように影響するのか?はもうお分かりですね。
そうです。賃貸で住む人が減る!ということになります。

従って、これから空室率30%時代に突入というキャッチコピーは大げさでも何でもなく、当然想定できる事態なんです。

世帯数の将来推計

人口がだんだん減る、高齢者の割合も増加、生産年齢人口もこれからの50年近くで激減するお話をしました。

そうすると、空室率30%の時代なんて当たり前で、賃貸アパート、マンションの家主さんは、「今、少し空いているけど、そのうち詰まるやろー。」なんて言っていると、取り返しのつかないことになってしまいますね。

そんな取り返しのつかない物件を奥さん、息子さん、娘さんなどのご家族に引き継いでもいいんですか?

私なら、「ちゃんとやっておいてよ!」って怒るかもしれません。
だから、手を打てるうちに打っておく必要があるんです。
打てなくなってからでは遅いんです。
もし、あっ、自分だ!って思ったら、すぐに行動されることをおススメします。

さて、それでは、本論に行きましょう。

世帯数の将来推計についてです。
国立社会保障・人口問題研究所による『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』(2018(平成30)年推計)によると、世帯数は2023年がピークで約5420万世帯となります。
その後、徐々に減少していき、2040年には約5075万世帯と7%程度の減少となる予定です。

こう見ると、そこまで減少は深刻ではないように見えるかもしれませんね。
でも、大事なのは、世帯構成の変化なんです。
下表は国立社会保障・人口問題研究所の2018年中位推計データから作成した棒グラフです。

これをご覧頂くと、構成がお分かりになるかと思います。

上から順に、①夫婦のみ世帯(青)、②その他世帯(黄)、③ひとり親と子世帯(灰)、④夫婦と子世帯(橙)、⑤単独世帯(水)です。

昔は、④の夫婦と子世代が多く、2DK(公団型)が最初で、その後3LDKに①夫婦のみ世帯や④夫婦と子世帯が住む形になりました。
なので、2DKはなかなか今の生活にマッチしないので、リノベーションの対象になったりするのです。
しかし、リビングがイビツな形になったりするので、思った程リノベの効果を上げられないことがありますね。

もう一つ、⑤の単身世帯は学生さん向けのワンルームや1K(台所と居間が仕切られているもの)の数が圧倒的に多いです。
しかし、前回のブログに記載した通り、生産年齢人口が減っていきますので、この単身者層は内部変化を起こしています。

それは、単身者層といっても、学生さん向け→高齢者・お勤めの給与所得者(そこそこの年収がある方)にシフトしているということです。

13㎡~20㎡程度の3点ユニットバスタイプ(お風呂とトイレが一緒になっているいわゆるビジネスホテルタイプのユニットバスがついているもの)では、荷物もあるし、なかなか住むことは難しいですよね。

なので、このタイプで集客に苦労している物件の家主さんは、早めに次の対策を取る必要があるかもしれませんね。

今回はここまでです。また来週~。

 

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